「マネー現代 - 安部 かすみ」様より
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NY在住ジャーナリスト/編集者
安部 かすみ
KASUMI ABE
日本の出版社で編集者&メジャーミュージシャンのインタビュアー、ガイドブック編集長を経て、2002年活動の拠点をニューヨークに移す。
07年より在NY出版社でシニアエディター、14年独立。雑誌、ニュースサイト、ラジオで社会問題、ライフスタイル、働き方、グルメ、文化、テック&スタートアップなど現地発の最新情報を発信中。
著書:『NYのクリエイティブ地区ブルックリンへ 旅のヒントBOOK』(イカロス出版)。所属団体:在外ジャーナリスト協会Global Press、米政府機関の在外プレス組織NY Foreign Press Center
米在住の私が、それでもやっぱり「トランプが勝つ」と思う5つの理由
結局「強いアメリカ」をみな求めている
20201009
衝撃が走ったトランプのコロナ感染
これまでウイルスを軽視していたトランプ大統領が、新型コロナウイルスに感染した。しかも、大統領選挙の投票日1ヵ月前という一番大切な時期に。
すでに退院したとはいえ、入院や自己隔離による治療プロセスは選挙活動を制限するため、大統領選の結果にも影響が及ぶだろうという懸念が聞こえている。
またホワイトハウスでのクラスターにより、ずさんなウイルス対策や危機管理能力が問われることになった。
新型コロナによる死者が21万人を超え、トランプ大統領の信頼度が低下していることは世論調査で幾度となく伝えられてきた。
トランプ氏の陽性反応が発表された直後の10月4日のロイター/イプソスによる最新の世論調査でも、51%がジョー・バイデン氏を支持、41%がトランプ氏を支持と、バイデン氏が10ポイントもリード。これまでで最も大きな差を広げている。
選挙活動のラストスパートで自身も側近も感染してしまうという、いわば「大失態」により、ますますトランプ氏の再選は絶望的ではと思うかもしれないが、ことはそう単純ではなさそうだ。
すでにたくさんのアメリカ政治の専門家による予測は出ているので、ここでは周りの声やメディアへの反響を聞きながら、現地に住んでいて感じる「やはりトランプが再選するのではないか」と思われる空気とそのファクトを上げてみたい。
歴史的に「現職」が有利である
理由1 歴史的に見て、現職大統領が2期目も勝つ
まずこれまでの歴史を振り返ってみると、現職の大統領が2期目も勝つのが通例となっている。
第2次世界大戦以降に大統領選に臨んだ現職10人のうち、敗れたのは、カーター氏とジョージ・H・W・ブッシュ氏だけだ(ニクソン氏の辞任に伴って副大統領から昇格したフォード氏も入れると3人)。
つまりは「よっぽどの失態」がない限り、現職大統領が再選されている。
現職の大統領が有利なのは、党内の指名を勝ち取らなければならない対立候補に比べて、大統領選に向けたスタートダッシュが速くできるというのが大きい。
また現職の大統領を敗北させるのはやや困難だ。
その理由として「対立候補に比べ現職大統領は知名度も実績もある。
それらは、資金集めや支持者集めに断然有利に働く」とは、ニューヨークの大手メディアで働き、2016年の大統領選を取材したこともある友人談。
自身最大のメディアと呼ばれているツイッターのフォロワー数を比べてみても、トランプ大統領は8700万人、バイデン氏は1060万人と大きな開きがある。
ちなみにトランプ氏が陽性結果を発表したツイートには、同氏のツイッターでは過去最高の180万人が「いいね」した。
ちなみに、上記の当時現職大統領3人が再選できなかった理由として、内政がうまく機能しなかったり、景気悪化などが背景にあったからと言われている。
直近のトランプ政権下での混迷や高い失業率は、トランプ氏の失態もそうだが、もとはコロナ禍のパンデミックによるもので(トランプ氏はずっと中国のせいであると強調している)、有権者がそれをどのように捉えるかが鍵となってくるだろう。
トランプ氏の豊富な資金力
理由2 選挙活動費がそもそも段違い
大統領選の選挙活動とは、有権者に「なぜ自分に投票すべきか」を伝える事業のようなもので、国民一人ひとりを説得するには莫大な費用がかかる。
具体的にどのくらい大金が費やされてきたかというと、トランプ氏が2020年の選挙運動のために使った金額は、連邦選挙管理委員会の発表によると、2億4000万ドル(約250億円)。
共和党と2つの関連委員会の活動費も含めると、2017年以降、過去最高額の9億8300万ドル以上(約1040億円)だと言われている。
一方バイデン陣営が費やしたのは、1億6500万ドル(約170億円)で、トランプ氏と大きな開きがある。
資金の多くは選挙集会の開催費や人件費、移動費、広告費などに使われる。
中でも幅広く「顔を売る」ための広告費は無視できない。
特に近年はテレビに加え、オンラインでも選挙広告が目立つようになってきた。
筆者が今年9月に参加した、大統領選における政治広告のブリーフィングでは、ワシントン州立大学トラビス・リドアウト教授が、今年のキャンペーンの特徴として「デジタル(ソーシャル)メディアの重要性がより高まっている」と指摘した。
アメリカの若年層でもテレビ離れが進んでおり、両陣営あわせてテレビ広告に費やされた10億ドル(約1000億円)に対し、フェイスブックとグーグルだけでも5億ドル(約500億円)とデジタルメディアを重視する姿勢がうかがえる。
とくに6月には大量の広告が打たれたようで、トランプ陣営は4100万ドル(約43億円)以上、バイデン陣営は2700万ドル(約28億円)以上を費やしたと報道されている。
デジタルメディアへの出稿で、投票率の低い若者の取り込みができるかが選挙選の結果を分けるもう1つの鍵となる。
とにかく足で稼ぐトランプ
理由3 足で稼ぐトランプ
営業職ではよく「足で稼ぐ」と言われているが、これはいかにクライアントのもとに足を運んで対面で会うことが大切かを説明したものだ。
心理的にも、人は直接会うことで相手のことを信用しやすくなったり、相手の言葉に心が多少なりとも揺さぶられたりするものだ。
大統領選の選挙活動を見ていると、誰の目にも圧倒的にトランプ氏の「足で稼ぐ営業」が活発であり、バイデン氏のそれが足りていないことに気づく。
コロナが猛威をふるっている最中でも、関係なく選挙集会を屋外で開き、8月の党大会でも大勢の有権者の前でスピーチをし、対面で「なぜ自分に投票すべきか」を直接説いてきたトランプ 氏(もちろんその行動に対する批判もある)。
それに比べ、バイデン氏は感染防止を理由に公の場への登場をできるだけ制限している。感染拡大中は選挙集会を開かず、民主党全国大会も全4日間、史上初のバーチャル形式で通した。
インタビューも、自宅の地下にある仮設スタジオからオンラインで受けるなどし、トランプ陣営からは「ハイディング・バイデン」(隠れているバイデン)と揶揄されてきた。
その結果、トランプ氏は新型コロナに感染し、バイデン氏は感染していないのだが…。
ともあれ、有権者にとっては、眼前でアピールをしてくれた候補者に気持ちが傾くのが自然な流れではないだろうか。
バイデン…良い人だけども
理由4 バイデン氏は決定打に欠ける?
実は筆者の周りのトランプ反対派からも、良く聞こえてくるのは「バイデン氏はいい人そうだけど、大統領として決定打に欠ける」ということだ。
バイデン氏の人柄に対するイメージは確かに良い。これまでいくつかセクハラ疑惑が浮上しているが、一般的には彼は苦労人であり、人の心の痛みがわかる思いやりのある人物、家族を大切にする理想の夫・父として見られている。
しかし、話がアメリカという一国の大統領となると、どうだろうか。
反トランプ派を声高に主張する筆者の友人の1人はある日、このように言った。
「でもバイデンって頭が良くないんだよなぁ」。
過去に、トランプ氏の顧問弁護士を務めるルディ・ジュリアーニ氏も、メディアで「長年バイデン氏を知っているが、彼は大統領になれるほど頭が良くない」と発言したことがあった。
また、バイデン支持者からでさえも、バイデン氏について「エキサイティングな印象がない」や「大統領としてのカリスマ性に欠ける」という消極的な声が聞こえる。
カマラ・ハリス副大統領候補が黒人票を獲得するのではと期待されているが、実際のところ黒人有権者からは「黒人として足りない」要素を指摘されている。
ハリス氏の両親はジャマイカ人とインド人であり、「400年以上にわたって差別されてきたアフリカ系アメリカ人」とは違うルーツを持つから、「黒人だから投票しよう」というモチベーションには繋がらないということらしい。
またハリス氏はラテン系の票とも特に強い繋がりはない。
かと言ってトランプに人気があるかというと、筆者の住むニューヨークに限って言えば、相変わらず不人気だ。
結局のところ、4年前と同様に「どちらの候補も不十分」「決定打に欠ける」と考えている有権者が周りに多い。
だから投票する気になれなかったり、投票するにしても「こちらの候補は絶対になし」で消去法になるのかもしれない(4年前の選挙後、筆者はニューヨークの街頭で有権者を取材をしたことがあるが、「ヒラリーには投票していない...」と答えた人が意外と多くて驚いた記憶がある)。
コロナ陽性をむしろ武器に
理由5 陽性反応のニュースはむしろ選挙戦有利に
トランプ氏のコロナ感染は有権者に大きなショックを与えたのは事実だが、だからと言って熱狂的なトランプ派の心変わりがあるとも思えない。
トランプ氏の主なサポーターは白人のキリスト教福音派とされているが、彼らは聖書をもとに日本人が容易に想像できないほどの繋がりで一致団結しており、トランプ氏を崇拝している。
つまりトランプ氏陽性のニュースで、支持派の結束力がより強くなった感が否めない。
また、当地では陽性発覚時から「軽症で回復が早ければ早いほど支持者からはこれまで以上に崇拝されること必至」という空気が流れた。そして、陽性発表より3日後の5日には、入院先の医療センターを早々に退院し、マスクをとって公の場に現れ、「復活した姿」を見せつけた。
感染ニュースが「最後の切り札」として使われた可能性はある。実際に感染後、アメリカはもちろん世界各国のトップニュースは「トランプ一色」になった。
トランプ氏は5日、ツイッターで15回以上も「VOTE!」(投票せよ)と叫び、コロナに打ち勝った「アメリカの強い大統領」を印象づけたのだった。
新型コロナ対策の失敗と自身の感染でトランプ離れも叫ばれているが、全体数から見たらそれらはほんの一部の人ではないかと思う。
以上が、日々の生活を通して聞こえてくるアメリカ現地の声だ。
ちなみに、ニューヨークタイムズ紙に「大統領選のノストラダムス」と呼ばれている歴史学者のアラン・リットマン氏は、1984年のレーガン大統領再選以来ずっと、独自の13指標に基づく予想を「すべて」言い当ててきた。
2016年のトランプ氏の勝利も言い当てた数少ない専門家であり、「大統領になった後も弾劾されるだろう」ということも予測した。
そんなアラン氏の最新予測は、13指標のうち7つがバイデン、6つはトランプ 、つまり「バイデン勝利」だ。これは本稿で伝えてきた、現地で感じる人々のなんとなくの空気感の真逆だが、これこそが大統領選の醍醐味と言えよう。
これは毎回のことだが、いかなる専門家の予想もどんな世論調査の結果も、選挙戦とは投票結果が出るまでどう転ぶかまったくわからない。
だからこそ現地で言われているのは、デモクラシー下でやれることを最大限やる=「投票権を有する者は“全員”投票することがとにかく大切」ということなのだ。
続いてYOUTUBEです。
中川牧師の書斎から#030「米大統領選の最大の争点」-連邦最高裁判事の増員問題-
9,380 回視聴•2020/10/13
ハーベスト・タイム・ミニストリーズHarvest Time Ministries
チャンネル登録者数 3.74万人
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中川牧師の書斎から#030「米大統領選の最大の争点」-連邦最高裁判事の増員問題-
関連動画
Trump 2020 A Man vs. A Movement
https://youtu.be/q_4n_MmNdxA
中川牧師の書斎から#024「トランプ再選の可能性はあるか」
https://youtu.be/fwE3QvsCWfQ
中川牧師の書斎から#028「ワシントンDCでの祈りの行進」 -国の癒しのための執りなしの祈り-
https://youtu.be/B44niQussNA
中川牧師の書斎から#029「米大統領選の行方」-大統領候補テレビ討論会の勝者は誰か-
https://youtu.be/ypO_ijEi6IE
中川牧師の書斎からシリーズ
https://www.youtube.com/playlist?list...
「申命記」聖書講解メッセージ
https://www.youtube.com/playlist?list...
「60分でわかる新約聖書」
https://www.youtube.com/playlist?list...
コロナウイルスが終息に向かうまで、東京定例会と大阪月例会は休会し、ハーベストセンターよりYouTubeにて無観客配信をしています。
https://www.youtube.com/user/HarvestT...
東京定例会
毎週(日)15:30〜17:00
翌々(火)の午前10時までご視聴いただけます。
それ以降はメッセージ部分のみを配信します。
大阪月例会
毎月第二(火)10:30〜12:00
https://www.youtube.com/playlist?list...
運営団体:ハーベスト・タイム・ミニストリーズ
https://harvesttime.tv
聖書入門.com 初心者向けサイト
http://seishonyumon.com
HARVEST WATCH 聖書信仰の見張り人たち
https://harvestwatch.tv
オンラインショップ
http://harvestshop.net/jp
https://bit.ly/2BNjy7D
https://bit.ly/2O2PxmQ
メールマガジン
https://bit.ly/38K4G6l
公式アプリ
https://bit.ly/2CcyL29
メッセージステーション
https://bit.ly/2VRQJxV
ネットで読むClay【クレイ】10月1日 OPEN!(無料)
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