「 FRaU - 此花 わか」様より
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「年の差カップル」は、実は“ホルモン的”に相性がいい
20歳差くらいがちょいどいい
2021.03.19
ライター
此花 わか
WAKA KONOHANA
PROFILE
映画ジャーナリスト、セクシュアリティ・ジャーナリスト。手がけた取材にライアン・ゴズリング、ヒュー・ジャックマン、エディ・レッドメイン、ギレルモ・デル・トロ監督、アン・リー監督など多数。現在、アメリカン・カレッジ・オブ・国際セクソロジスト認定セックス・エデュケーターに向けて勉強しながら、「セックスレスのための性教育と映画」(noteマガジン)で映画とセクシュアリティに関する情報を発信中。墨描きとしても活動中。
https://note.com/wakakonohana
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https://twitter.com/sakuya_kono
先日、ニコラス・ケイジが31歳年下の日本人女優と結婚し、彼が5度目の結婚であることと、二人の年齢差が話題となった。日本でも加藤茶や吉田鋼太郎、TOKIOの城島茂、武田真治など、20歳以上年下の女性と結婚した芸能人は少なくない。
こうした報道が出ると、女性に対しては「お金目当て」、男性に対しては「若いカラダ目当て」でしょ? と世間は色眼鏡をかけて見がちだ。はたして本当にそうなのか。実は、年の差カップルの傾向を科学的な見地から検証している本がある。
※これから述べる男女の性差はあくまで、進化心理学的視点で男女を一般化した"傾向"を記しているものであり、人間の心や行動は性別をこえた"個人差"があることを頭においていただきたい。
「男は若い女が好き」「女はお金持ちが好き」は本当か
米・カリフォルニアには、人類の進化の過程によって形成された脳がヒトの心や行動に影響するという「進化心理学」の見地から心理カウンセリングを行う、パット・アレン博士がいる。男女の性差や恋愛心理について本を何冊も書き、L.A.では40年以上もラジオ番組をもつカリスマ博士だ。
彼女がドン・シュミンケ博士と共著した『The Truth About Men Will Set You Free : The New Science of Love and Dating (未邦訳 : 男性にまつわる真実があなたを解放する : 愛とデーティングの新しい科学)』は、男女の恋愛やセックスについて科学的に紐解いている。
博士らによると、男性はカップルの土台はセックスにあると考えているそうだ。ただし、恋愛=セックスではなく、あくまで恋愛のなかでセックスの優先順位が高い、ということ。それは、男性の性的衝動の引き金を引く男性ホルモン、テストステロンが原因だという。テストステロンは筋肉質でがっしりとした背の高い体型や濃い体毛・髭など、いわゆる「男らしい」外見に表れる。
また、テストステロンはポジティブ思考、やる気、行動力や決断力にも働きかけ、10代から20代をピークに急激に増えて、その後はゆるやかに減少していく。もちろん、環境やストレスにも影響されるので個人差があるが、加齢ともにテストステロンが減少すると、男性のセックスの頻度も低下する。テストステロン分泌量が多い男性は性欲も高く、より多くの女性とセックスしたがる傾向があるそうだ。
テストステロンに突き動かされた男性は繁殖のため妊娠しやすい女性に惹かれる。繁殖力を示す女性の身体的特徴は、くびれたウエストとハリのあるヒップ、大きな目(男性よりも女性は白目部分が大きいそう)、赤い唇、きれいに伸びた背骨、ツンと上がった胸など。目の大きさが関係あるのは、言葉をもたなかった頃にヒトは瞳でもコミュニケーションをはかっていたからだ。赤い唇は女性の性器を連想させ、姿勢の良さは若さのサインでもあるという。
どうやら、「男は若い女が好き」な傾向は生物学的に避けられないようだ。だが、それだけではなく、「若い女性も年上の男性を好む」とアレン博士は説明する。37の異なる文化を調査した研究によると、年上の男性は経験豊富で経済的な“成功”を収めているから、女性は自分と子供を“守ってもらえる”と期待するそうだ。
ただ、若い男性のほうが成功している文化では、女性は若い男性を選ぶという。つまり、女性は「経験」よりも「成功」を重視しているようだ。
女性のほうも種の保存のために「成功している男」を選ぶ。加えて、「背の高い男」が女性に人気だという研究結果も多くの文化で証明されているという。なぜなら、「高い背」「大きな体」は自分と子供を守ってくれる“強さ”の身体的特徴だからだ。男性がスポーツジムに通い体を鍛え、女性が若々しく見えるためにダイエットやメイクに勤しむのは、異性を惹きつける性的魅力を本能的に保とうとしているのだ。
もうひとつ、本書には興味深い指摘がある。それは、年が20ほど離れたカップルは“性的にも相性がいい”というものだ。
「年の差カップル」は性的欲望のバランスがいい
「若い女性と年上の男性」のカップルはホルモン的にもバランスがとれているとアレン博士は考える。男性が女性に性的興奮を覚えるのは、女性がエストロゲンという女性ホルモンを分泌している時期なのだとか。エストロゲンは8、9歳ごろから分泌されて、丸みを帯びた「女性らしい」身体を生成するのを助ける。乳房、子宮、膣の生育に働きかけ、分泌量が増えると女性は初潮を迎え、妊娠できる状態へとカラダが整えられていく。
その頃になると女性は性的興味を持ち始めて、体臭や仕草に性的魅力が増すらしい。そうして、女性は自分を“受け入れてくれる”男性を引き付けて、そのなかで自分と子供を“守ってくれそうな男性”を選ぶ。男性と違い、女性にとっての愛とは、セックスよりも、自分を“認め受け入れて、長く慈しんでくれる”ことなのだ。
「年の差カップル」は性的欲望のバランスがいい
「若い女性と年上の男性」のカップルはホルモン的にもバランスがとれているとアレン博士は考える。男性が女性に性的興奮を覚えるのは、女性がエストロゲンという女性ホルモンを分泌している時期なのだとか。エストロゲンは8、9歳ごろから分泌されて、丸みを帯びた「女性らしい」身体を生成するのを助ける。乳房、子宮、膣の生育に働きかけ、分泌量が増えると女性は初潮を迎え、妊娠できる状態へとカラダが整えられていく。
その頃になると女性は性的興味を持ち始めて、体臭や仕草に性的魅力が増すらしい。そうして、女性は自分を“受け入れてくれる”男性を引き付けて、そのなかで自分と子供を“守ってくれそうな男性”を選ぶ。男性と違い、女性にとっての愛とは、セックスよりも、自分を“認め受け入れて、長く慈しんでくれる”ことなのだ。
繁殖のピークを迎えた若い女性にとって、テストステロンの最高潮を迎えた浮気しがちな若い男性よりも、性欲が減少した年上の男性のほうが女性と子供を養う資源をもち、子育てに集中してくれるから相性がよい、というわけだ。
実は、「年上の女性と若い男性」もホルモン的にぴったりと合う、とアレン博士は主張する。女性は加齢とともにエストロゲンが低下し、更年期を迎えて閉経へと向かう。子宮内膜を整える働きのあるプロゲステロンはエストロゲンと相互作用し、加齢や更年期に伴う諸症状を改善する。この時期に女性の性欲がピークになるという説もあり、アレン博士が言うには30代後半から40代前半の女性の性的欲望は19歳の男性と同レベルになるそうだ。
一方、40代男性は20代前半女性の性的欲望のレベルとマッチする。アレン博士の患者には、同じ40代の夫婦では夫のほうが妻より性欲が低く、妻にセックスを強いられる、とストレスを感じる男性が多いという。
年の差カップルのほうがホルモン的には性的相性がいい。そう考えると、筆者の40代以上の女友達のなかには、最近10歳年下の男性と結婚した人もいるし、「30代としか付き合わない」と豪語する49歳の未婚女性もいる。スウェーデン人の女友達も12歳年下の恋人がいて、「最高のセックスライフを送っている」らしい。彼女によるとスウェーデンでは近年、女性が10歳以上の年下の男性と付き合うことがセレブや一般人のあいだでも増えているという(しかも、既婚者のほうが年下男性にモテるから「指輪をしてバーに行くべし!」と冗談交じりに勧められた)。
彼女たちに共通するのは、いずれも自身に経済力があるということ。経済的に自立した現代の女性たちは、守ってくれるパートナーよりも、充実した性生活を一緒に楽しめるパートナーを欲しているのかもしれない。
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