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ユダヤ人の思考法――地球上の0.02%がノーベル賞の40%を占める理由
著者紹介 永田豊志(ながた・とよし)
知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。
リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。
近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。
連絡先: nagata@showcase-tv.com
Webサイト: www.showcase-tv.com
Twitterアカウント:@nagatameister
各分野で優秀な人材を排出しているユダヤ人。彼らの成功への秘けつはどういったものなのでしょうか。
2010年05月10日 16時00分 公開
問題 次の人物たちの共通点を見つけ出しなさい。
ハリウッド俳優やミュージシャンであれば、ウィノナ・ライダー、レニー・クラビッツ、ボブ・ディラン、ウディ・アレン、ハリソン・フォード、マイケル・ダグラス、ナタリー・ポートマン……。
映画会社なら、ユニバーサル、パラマウント、20世紀FOX、MGMの創業者。
ITであれば、デルのマイケル・デル、オラクルの創業者ラリー・エリソン、マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEO、インテルの創業者アンディ・グローブ。
金融関係であれば、稀代の投資家ジョージ・ソロス、SGウォーバーグ銀行の創業者ウォーバーグ卿、金融ニュースのブルームバーグ。
服飾や化粧品業界であれば、ラルフ・ローレン、リーバイ・ストラウス、ダナ・キャラン、エスティ・ローダー、チャールズ・レブロン。
学者であれば、アインシュタイン、フロイト、コンピュータの生みの親ノイマン、インターネットの発明者……。
この有名人たちの共通点、なんだか分かりますか? そう、勘の鋭いアナタは気づいたかもしれません、「ユダヤ人」という共通点です。(『ユダヤ人の頭のなか』より)
世の中には「ユダヤ人が秘密結社を率いて世界征服を狙っている」というような馬鹿げた本も出回っていますが、そんな荒唐無稽な話はさておき、これだけ各分野で優秀な人材を輩出しているユダヤ人とはいったい何者でしょうか? その思考方法とは? そこに知的生産性を高めていきたいナレッジワーカーのヒントがあるかもしれない。今回はそんなテーマをとりあげたいと思います。
全人口の0.02%しかいないユダヤ人、なぜノーベル賞の40%を占めるのか?
わたしが『頭がよくなる図解思考の技術』を執筆している最中に、強くインスパイアされた参考図書『図解主義!』の著者は、本業は弁護士でユダヤ人のアンドリュー・J・サター氏。そして、そのサター氏が最初に刊行した本「ユダヤ人の頭の中」によれば、ユダヤ人の過去の歴史や文化に根付いた特有の思考方法が、ここまで各分野において類まれな成功を収めさせていると説いています。
ちなみに、ユダヤ人はイスラエル国民も含めて全世界人口のおよそ0.02%しかいません。そして、欧州から米国に移民としてやってきたユダヤ人のほとんどが50ドル以下の財産しかもたなかったともいいます。つまり、ほとんどの人が無一文からスタートしたというわけです。
しかしながら、冒頭述べたリストのように、多くのユダヤ人(第2世代、第3世代を含めて)が大成功を収めています。さらに例をあげるとノーベル経済学賞の受賞者のうち、実に40%がユダヤ人という事実、全米に居住するユダヤ人の平均所得は米国平均の約2倍、弁護士や医者、大学教授の多くがユダヤ人という事実をどう考えたらよいでしょうか。
つまり、ユダヤ人は少数派であるが、平たく言えば「抜群に思考能力の発達した民族」ということが言えると思います。その思考方法、ぜひ、われわれ日本人も取り入れたいものですよね。では、そのベースはどこに起因するものなのでしょうか?
サター氏の著書を参考にしながら、わたしたち日本人にも活用できるポイントを5つあげてみました。
リスク管理を徹底し、「損切り」せよ
顧客第一主義を通す
他人の言語や文化に慣れ親しむ
分からないことを放置しない徹底した議論
論理的思考と文書化スキルを身に付ける
ユダヤ人の歴史は、「リスク管理」「顧客管理」の歴史
こうした思考能力が自然に身についた背景には、これまでのユダヤ人特有の歴史があります。
まず、驚くべきことに中国と同じくらいユダヤ人の歴史は古い。およそ4000年ほどあります。そして紀元前にイスラエル王国が崩壊して以来、数えきれないほど、様々な国に支配されてきました。会社でいえば、M&Aによってコロコロと社長が変わるのと同じ事です。
また、ナチスによるユダヤ人迫害は我々日本人もよく知っているところですが、それ以外でも職業や生活を厳しく制限されたり、無実の罪で裁かれたり、他国から侵入した暴徒に襲われたり……と安住の地がないまま、数千年という時を過ごしてきた民族でもあるのです。
そこで培われたこと、それは「リスク管理能力」と「顧客第一主義」でした。権力の行方がどうなるか、そして時の権力者が何を欲しているのかを常にリサーチして、事前に動かなければ命取りになるわけですから当然です。投資家に必要な「損切り」の精神も、こうしたリスク管理から由来しているのでしょう。ヘッジファンドで巨万の富を築いたジョージ・ソロスはユダヤ人ですが、いかに他人よりも早く欠点に気づいて損切りするかが、投資の秘けつであると言っていたそうです。
こうしたリスク管理能力や、顧客第一主義の精神は、その後のユダヤ人の起業に大きな好影響を与えたに違いありません。
多言語・多文化、徹底的に議論を楽しむコミュニケーションの習慣
自分たちの居場所がどこにもなく、支配国の権力闘争によって次々に分断されていったユダヤ人たち。地理的に分散していった彼らは、どのような国に属しても、その言語や文化を必死で学び、商売をやっていかなければなりませんでした。そのため自然と現地に適応する術が身についているのでしょう。これはグローバル化する社会においてはとても大きな強みです。
また、日本人のように、同じ文化背景で生きてきた人間同士のコミュニケーションと違い、非常に細かくすべてのことを、論理的に確認し、議論を徹底的に行うという習性も独特のものです。以心伝心という名のもとに、ろくに確認もせずにプロジェクトを進めることなどありえません。1つ1つをしっかり確認し、「なぜ、そのようになったのか」を理解するまでゴーサインは出さないのです。
日本人にとっては「そんなこといちいち確認しなくても分かってるだろ」と思うかもしれません。しかし、ユダヤ人は「知らないことはすべて聞く」というマインドが備えています。これは多言語多文化において国際取引を行う場合は、必須の姿勢とも言えるでしょう。
ロジカルシンキングと文書化が深く根付いている
ユダヤ教の開祖とされるアブラハムも非常に論理的思考の強い人だったようです。
ユダヤ教の経典は、古くから文書化されていました。タルムードと呼ばれる聖典は、単なる教えを伝えるのではなく、日常生活の細々とした規則について、なんと「議事録」的に記しており、参加者の討論を文書化しているのです。
つまり、ユダヤ人は開祖から始まって、基本的にロジカルシンキング、議論(ブレインストーミング)が大好きな民族と言えるのです。わざわざ論理的に考える勉強をしなくても、それが当たり前になっているということなのかもしれません。
これらを総合すると、英語を含む多言語に対応でき、ロジカルに物事を分析でき、チャンスをつかみ、リスクを管理しながら、顧客満足度を上げる方法……、つまりはMBAで学ぶようなことが民族の習慣なっていると言っても過言ではないでしょう。
マイノリティを強く意識することで、思考力がさえてくる?
つまるところ、ユダヤ人に今日のような活躍をもたらした思考力の根底にあるものは、「マイノリティ」ということです。常に少数派であるから、多数派の言語や文化を学びつつも、交渉事において自分の主張を通す場合は、論理的かつ徹底的に議論し、主張を通そうとします。
少数派であるからこそ、大局を観察し続け、変化やリスクを他人よりも早く察知し、時にチャンスをつかんで大きく勝負に出ますが、リスクを感じたらいの一番に、損切りしてでも手を引く大胆さ。世の中が短時間で大きく動く、現代にとって、どれも大切な能力ばかりです。
日本人は幸運なことに、中途半端に大きな内需があり、それで商売をすればよかったのでこれまでマイノリティを感じる必要はありませんでした。しかし、世界から見ればやはり日本もマイノリティの1つでしかありえません。実際、欧米から見ているのは日本ではなく、中国や新興国です。これからは日本人も、もっとマイノリティ的な危機意識とロジカル思考に基づいた交渉力を身につけないと、世界に太刀打ちできないかもしれません。
続いて「YOUTUBE」です。
ユダヤ人の『富』はどこから?
月刊久保有政 No.4 2017年10月号 ダイジェスト
7,821 回視聴2017/12/14
MUGENJU CHANNEL
チャンネル登録者数 9.2万人
説明
月刊久保有政とは?
現代社会、宗教、科学、人生、幸福、歴史、未来等について聖書の視点でわかりやすく解説する「月刊レムナント」の主筆である聖書解読者 久保有政氏は、日本イスラエル親善協会理事、神戸平和研究所理事、聖書と日本フォーラム理事・常任講師を務め、日本とユダヤについて、日々研究を続けていらっしゃいます。
「日本とユダヤ運命の遺伝子」「日本とユダヤ聖徳太子の謎」他、数多くの著書を執筆。テレビ東京系列の番組「新説!?日本ミステリー」等にも出演される等、精力的な執筆活動・講演活動を行うなど、聖書をベースにした分かりやすく切れ味鋭い『久保理論』は、多数の久保ファンのみならず、各分野の専門家達を唸らせています。
「秘密喫茶 居皆亭(いるみなてい)vol.17(2017/01)」のゲストにお越しいただいた時には、 大変興味深いお話をしていただきました。
・科学的創造論(ダーウィンの進化論は健全な科学に基いていない、宇宙や生命は聖書に記されたような特別創造によって出現したと考える論説)
・ユダヤ人渡来説(イスラエル人の古代日本渡来説。神道や日本の伝統的風習、天皇制の起源は古代イスラエル人にあった?)
・脱!日本の自虐史観(日本人は、「日本は悪い国であり、侵略国家だった。」とする自虐的な歴史観の誤りに気づき、真実の近代史を知るべきであり、本当の日本史を取り戻すべし!)
・聖書的「死後の世界」論(「地獄」と「黄泉」は別の場所?)
(秘密喫茶「居皆亭(いるみなてい)」の映像はコチラ)
https://www.youtube.com/playlist?list...
そんな久保さんに、教鞭をふるっていただけるのが「月刊久保有政」です。
「政治・経済・金融」に強い関心をもつビジネスマンに、「現代科学・現代社会」に強い疑問をお持ちの方に、宗教の枠組みを越えた「人生・幸福」を追求したい方に、そして「聖書」に興味を持つ全ての方に、「月刊久保有政」を強くお推めいたします。
今月号のテーマは
「ユダヤ人の『富』はどこから?」
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https://mugenju.com/content/?id=3473
ユダヤ人の思考法――地球上の0.02%がノーベル賞の40%を占める理由
各分野で優秀な人材を排出しているユダヤ人。
彼らの成功への秘けつはどういったものなのでしょうか。
2010年05月10日 16時00分 公開
[永田豊志,Business Media 誠]
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