「産経ニュース」様より
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2021/6/7 09:00
櫻井 よしこ
自民党よ、左傾化し保守の価値観から遠ざかるのか。少なくとも2つの案件が危険な兆候を示している。同性愛者など性的少数者(LGBT)への理解増進を図る法案と、中国共産党政府による重大人権侵害への国会非難決議だ。
後略
続いて「国家基本問題研究所」様よりシェア、掲載。
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2021.05.24 (月)
LGBT法案の成立を阻止せよ 有元隆志(産経新聞月刊「正論」発行人)
「日本にもジェンダーという毒が一滴ずつ漏れてきている」―産経新聞の「正論」欄(令和2年11月4日付)にこう書いたのは、麗澤大学のジェイソン・モーガン准教授だ。モーガン氏は「『ジェンダーフリー』という和製英語のおかしな教育が学校に持ち込まれ、批判を浴びてきた」と記したが、いまそれが国会にまで持ち込まれ、一滴どころか大きな河の流れとなって、性的少数者(LGBT)への理解増進を図る法案の成立を目指す動きが加速している。
焦点となっているのが「性的指向および性自認を理由とする差別は許されないものである」という法案の目的と基本理念だ。自民党案では医学用語として使われる「性同一性」となっていたが、公明党の主張を入れてより概念の広い「性自認」とした。「差別は許されない」は立憲民主党の主張に配慮して追加された。もともと、自民党案は性的少数者の存在を理解し、寛容な社会をつくることを目的としていたが、公明党や立民などの主張を取り込んだために、がらりと法案の性格が変わってしまった。
自民党案の理解増進から、すべての性的指向や性自認を等価値に扱わないと「差別」であるとする差別禁止法案の趣旨を持つようになったのだ。しかもその「差別」の定義が不透明である。
反対派を「差別主義者」呼ばわり
「多様性」は認めるべきであるが、「性自認」を認めなければ差別になるというのでは、民主党政権下で検討された人権擁護法案と同じである。同法案は人権侵害の定義があいまいで、恣意的な運用が可能だったうえ、表現の自由を侵害する言論弾圧法案だった。当時も反対派は「差別主義者」というレッテルを貼られた。
今回も似たような光景が展開されている。5月20日の自民党の「性的指向・性自認に関する特命委員会」などの合同会議で、法案に異論を唱えた山谷えり子元国家公安委員長が「LGBTは種の保存に背く」あるいは「道徳的に認められない」などと発言したかのように誤解を招く情報が拡散した。
山谷氏がこの場で紹介したのは、「身体は男だが、心は女性だから」ということで米国では女子陸上競技に出場してメダルを獲得するケースが起きていることだった。山谷氏はこうしたケースを「ばかげたことがいろいろと起きている。このまま自民党として認めるには大きな議論が必要だ。しっかりと議論することが保守政党としての責任だ」と強調したのだった。
メディアにも決めつけ報道
この発言をとらえ、時事通信は「差別解消を目指す動きをやゆしたとも取れる発言」と伝え、立憲民主党の蓮舫参院議員は自身のツイッターで「時代は変わり、社会は変わる。政治はその時々に応じた対応を何よりも求められます。ご自身の思想信条と相入れないことを『ばかげたこと』とどうか、切って捨てないでください」と書き込んだ。
山谷氏の発言のどこが「やゆ」であり、「切って捨て」ているのだろうか。女性の人権、地位向上を重視する蓮舫氏のことだから、米国の各州で起きている議論を知らないはずがないだろう。コネティカット州では数年前、トランスジェンダーの陸上選手が州の大会で優勝を独占したため、他の出場選手らが競技への参加資格について「自認する性」を優先する州の方針に異議を唱えた。
コネティカット州でのケースは極端という見方もあるが、一般的に男性選手がスポーツで身体的に優位性があることを否定する人はいまい。そうした身体的優位性、平等、人権など、さまざまな観点から問題点を議論すべきということを山谷氏は提起しているのだ。
「理解増進」から趣旨が変質
LGBT法案は、国や自治体が性的指向や性自認の多様性に対する理解増進を図る施策を実施することを明記した。政府は毎年、施策の実施状況を公表しなければならないとし、事業者には、労働者への普及啓発や就業環境の整備、相談機会の確保を求めている。つまり、各省庁や地方自治体、企業の施策がすべての性的指向、性自認を等価値なものとして捉えているかを点検し、大きな政策課題として位置づけることが求められる。単なる理解増進法案ではないのだ。
特命委員会の稲田朋美委員長は20日の会合の冒頭、「日本がちゃんと多様性を認める、そして寛容な社会をつくっていく。それができるのは保守政党である自民党だけです」とあいさつした。そうであるならば、5年前の自民党案を堅持すべきであり、選挙目当てに妥協することがあってはならない。稲田氏には「保守政党」の看板を外す気かと問いたい。
続いて「櫻井よしこオフィシャルサイト」様より
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2023.02.16 (木)
「少子化対策は未婚化阻止が第一歩だ 」
『週刊新潮』 2023年2月16日号
日本ルネッサンス 第1036回
中国の総人口が前年比で85万人減ったと大きく報道されたのは1月17日だった。それ以前には中国の労働生産人口が10年も前から減少し始めていたなどとも報じられていた。人口問題から国際社会を分析してきた仏の学者、エマニュエル・トッド氏は、昨年11月、シンクタンク「国家基本問題研究所」の招きで来日した折り、こう語った。
「日本の人たちは中国の脅威について心配しますが、私は恐れるに足りないと思います。中国の人口問題は余りにも深刻で、国力が衰退の一途を辿るからです」
彼の国には人口が減る理由が大別して3つある。第1は、一人っ子政策で女児を軽視したことだ。一人しか子供をつくれないなら跡継ぎとして男の子の方がよいという考えから、中国の赤ちゃんの比率は女児を100とすると男児は120を超えることが複数年あった。通常は女児100に対して男児は102~107であるから、たしかに異常値だ。女性軽視で中国人女性の数が少なくなった。
第2は、一人っ子政策を37年も続けた結果、「子供は一人で十分」との考え方が中国人に定着したことだ。2016年に二人まで、21年には三人まで認めるとして、複数の子供を持つよう奨励されるようになったが、人々の心は動かなかった。
第3の理由が人口流出だ。日米欧はおよそすべての国で流入人口が流出人口を上回っている。中国は逆だ。彼らの統計を信用すれば毎年150万人が外国に移住して戻らない。
斯くして人口減少が続くため、今世紀末までに現在の総人口約14億人が6億人台に落ちるという凄まじい予測もある。トッド氏が彼らは恐れるに足りずと言うゆえんでもある。中国の現状と予想される国力衰退を横目に見て、隣国の脅威が弱まるのはいいことだと、安心材料のひとつと見る人は少なくないだろう。しかし、日本の人口減少も中国同様深刻である。
今年、新年の伊勢神宮参拝の折りに岸田文雄首相は異次元の少子化対策を打ち出すと語った。これまで岸田政権が少子化問題を大テーマとして論じてきたことがなかったために、唐突な印象は否めない。
結婚できるだけの収入を
少子化対策は財務省、文科省、厚生労働省、法務省などにまたがる大テーマだ。それら巨大官庁を動かして異次元の少子化対策をまとめるには相当の力量が必要である。経験を積んだ実績のある人物が陣頭指揮しなければならない。しかし、現在の少子化担当相は初入閣の小倉將信氏だ。軽量級閣僚でこんな大課題をこなせるのか。菅義偉前首相はこう語った。
「いざ、内閣として取り組むとなれば、総指揮をとるのは総理と官房長官です。トップがしっかりしていれば大臣が軽量級でも問題はないのです」(2月3日「言論テレビ」)
成程。だが、岸田政権の少子化対策の議論は全てこれからだろう。岸田首相がこの問題の本質を理解し人口減の潮流を反転させることが、もし出来るとしたら、間違いなく歴史に残る偉業となる。それはこれまで政府が進めてきた少子化対策の誤りを正す作業でもある。
なぜ、これまで大変な努力を積み重ねてきたにもかかわらず、わが国は少子化の苦境から抜け出せていないのか。日本大学文理学部非常勤講師の工藤豪氏はかつて国家基本問題研究所のセミナーでこう指摘した。
「日本の少子化の主な要因は未婚化です。けれど日本政府の対策は必ずしも、その点に光を当ててきませんでした。統計で見ると20代前半の若者は20代後半までの結婚を希望していますが、その希望は叶えられていない。政府支援の第一は若者たちが20代で結婚できるように支援することなのです。しかし現状では子育て支援や働き方改革が焦点となっています。それも大事ですが、その前に、子供を産む人々がふえるようにすることがもっと大事です」
日本では結婚と出産に強い相関関係がある。そのことは婚外子の比率が諸外国に比べて著しく低い状況からも窺える。たとえば婚外子の割合は仏が55.8%、英47.6%、米国では40.6%だ。日本は2.4%である。
中京大学現代社会学部教授の松田茂樹氏も少子化の最大要因は未婚化だとして、問題解決には雇用環境の大幅改善が必要だと指摘する。若者たちに結婚できるだけの収入をもたらす社会を創らなければならないということだ。労働に対する適正賃金の支払いは当然だが、その中に非正規雇用の人々もきちんと包み込んでいかなければならない。職のない人々には就職の機会や技術修得の場を用意し、転職もし易い法整備が必要だ。雇う側の企業とも十分な調整が必要で、企業支援も含めて国全体の取り組みとなる。
「世話やきさん」
問題はまだある。若者たちには「出会いの支援」が必要だと、工藤氏は強調する。昔はどこにでも「世話やきさん」がいた。年頃の男女を紹介して縁を結ばせていく有難い存在である。近年はそのような慣習への評価が下がってしまい、見合いを勧めようとすると迷惑がられることさえある。かといって自然に男女が出会える場がふえたわけではない。地方自治体でそのような場を設けているところもあるが、そうした努力と共に、実は結婚に対する価値観の見直しが大事なのだ。
人生の形を選ぶのは全ての人の自由であり権利であることは言うまでもない。LGBTQの人々への理解を深め受け入れていくことを大前提としたうえで、若い男女の結婚への前向きな価値観を現代に適した形でもっと啓蒙し、未婚化に歯止めをかけることが必要だろう。
日本では婚外子が少ないことはすでに述べた。であれば少子化克服のもうひとつの道は、結婚した夫婦が自分たちの望む数の子供を産めるようにすることだ。松田氏は、日本では一人産む夫婦は二人目も持つ傾向にあるが、三人目の子供の出産は経済的負担の壁に直面すると指摘している。
また調査によれば80%の母親が子供が幼いうちは自分で育てたいと希望しているともいう。幼い子供を持つ母親には専業主婦への願望が強いというのだ。ならばそこに手厚い支援を差しのべてはどうか。安心して子供を産み、育てたいという夫婦、三人目以降の子供を希望する夫婦を大いに支えていくのだ。
さまざまなケースがあるが、シングルマザーや働く母親の子育て支援には月額20万円規模の税金が投入されている。たとえばそれと同額の支援を、専業主婦の家庭にも実施するのだ。無論第三子を望む夫婦に対しても同様だ。シングルマザーも、外で働く女性も、家で子育てする女性も、みな等しく支えていくのがよい。こうして全ての女性と夫婦を支えることで初めて少子化を克服できる。これまでの種々の対策を強化するだけでは問題解決は困難であろう。
続いて「新経世済民新聞」様より
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【三橋貴明】
経済的な理由による非婚化
2023年3月13日
【今週のNewsピックアップ】
異次元の非婚化対策が必要だ
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12792548509.html
貨幣的な理由による非婚化
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12793019210.html
改めて、日本の「現在の」少子化の主因は、
経済的な理由による非婚化です。
なぜ「現在の」と書くのかといえば、
「日本の婚姻数の減少が始まったのは、
1970年代からだ」
と、面倒くさいことを言い出す人が出てくるためです。
【日本の婚姻数の推移(件)】
http://mtdata.jp/data_75.html#konin
いや、確かに日本の婚姻数のピークは
1972年ですが、
「70年代以降の婚姻数の減少」
と、
「二十一世紀に入って以降の婚姻数の減少」
は、理由が違って当たり前でしょ。
何しろ、四半世紀が経過しているわけです。
しかも、婚姻数はバブル期に一旦、底打ちし、
その後、回復傾向に入りました。
それが、経済のデフレ化以降、停滞状態に陥り、
二十一世紀に入るや否や、
物凄いペースで減少を始めた。
少子化対策白書の各種データを見る限り、
雇用環境の悪化、実質賃金の低迷といった
「経済的な(あるいは「貨幣的な」)理由」が非婚化、
そして少子化の主因であることは明らかなのです。
日本の少子化の真因を語る
決定的なデータである、
例の「男性の従業上の地位・雇用形態別有配偶率」等が
最初に少子化対策白書に掲載されたのは、
「令和元年度版」からだったと思います。
【男性の従業上の地位・雇用形態別有配偶率】
http://mtdata.jp/data_66.html#haiguuritsu
令和元年度版「少子化対策白書」を読むと、
「男性の雇用環境・所得水準の悪化が、
非婚化をもたらし、少子化になっている」
ことに加え、
「少子化対策白書を作成した官僚は、
なぜ少子化なのか、問題を正しく認識している」
ことが分かります。
というわけで、当時、安藤裕先生と、
「もしかして、官僚は
問題を正確に把握しているのでは?」
「していると思いますよ」
という会話を交わした記憶があります。
問題を正しく認識している官僚は
少なくないにもかかわらず、
なぜまともな少子化対策が打たれないのか。
理由は簡単。
(特に)結婚適齢期の男性の
「経済的問題」を解決するためには、
緊縮財政の転換と財政拡大。
本格的な「デフレ脱却」が不可欠である為です。
つまりは、財務省を敵に回さなければ、
日本の少子化は絶対に解決しない。
いよいよ、財務省主導の財政破綻論、
緊縮財政至上主義が、
本格的に日本国を亡ぼそうとしている現実が、
あからさまになってきたのです。
続いて「YOUTUBE」です
言論テレビ - Twitter X YusukeKusuyama 🚹👨『 ゆーくす 』 楠山祐輔
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【櫻LIVE】
第553回 - 竹田恒泰・作家 × 櫻井よしこ(プレビュー版)
20,691 回視聴 2023/05/27
日本にLGBT特化法が必要なのか?
「歌舞伎」「宝塚」で性の多様化を受け入れてきた
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
自民、公明両党は超党派議員連盟がまとめた法案を修正したLGBT法案を国会に提出しました。立憲民主党、共産党は修正を認めず、元の法案を国会に提出しました。国民、維新は別の法案を共同提出する構えです。いずれにしても自、公案は今国会で野党の賛同は得られず、議員立法は全会一致の提出が慣例となっており、廃案の可能性が高くなりました。
日本は伝統的にLGBTの許容度が高く、現在テレビのバラエティ番組でもLGBTの芸能人が活躍しています。「歌舞伎」でも女形や「宝塚」の男役など男女の線引きを越えて芸術、文化に昇華している分野も存在します。今回の企画では、古事記から始まり日本の歴史の中でLGBTを論じ、日本社会にLGBTに特化した法律が必要なのかどうかを考えます。
5月26日金曜夜9時『櫻井よしこの言論テレビ』第553回生放送は、作家で歴史家、古事記研究家でもある竹田恒泰さんをゲストにお迎えし、日本史、世界史からLGBT問題を論じます。
櫻井キャスターは以下の質問を準備し対談に臨みます
(1)政府、自民党が提出したLGBT法案を日本の歴史の枠組みの中におけば何が見えるか。LGBTにもともと寛容な日本でなぜこのような法律がいるのか。
(2)LGBTは個人個人の生き方の根幹を問わなければならない問題だ。自分の人生に対する各々の価値観と判断の重さを考えれば、法律によって軽々に定めることに意味はあるのか。法律を定めることによって不必要なケースがふえるのではないか。その苦い経験を知っているから、およそどの国もLGBTに特化した法案をつくっていないのではないか。
(3)日本は性の問題では万葉集の時代から寛容だった。LGBTに対して日本人は偏見が少ないのではないか。
(4)真に成熟した社会とはこんな法律を必要としない社会ではないか。
自民左傾化 危うい兆候
2021/6/7 09:00
櫻井 よしこ
LGBT法案の成立を阻止せよ 有元隆志(産経新聞月刊「正論」発行人)
「 少子化対策は未婚化阻止が第一歩だ 」
【三橋貴明】経済的な理由による非婚化
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