ハーネマンは、自然界にあるすべての物質には、何らかのエネルギーが密かに備わっており、物質を的確に扱えばこのエネルギーを有効に使うことができると考えました。そして、その自然物のエネルギーがレメディーに転写されているならば、それが作用する人間の生体にも何らかのエネルギーがあると考え、それを「バイタル・フォース(生命力)」と名付けました。
19世紀に活躍したアメリカの医師ジェームス・タイラー・ケントはバイタル・フォースの特性について『Lectures on Homeopathic Philosophy』という本のなかで次のようにまとめています。
自発的に形を組織する作用がある。すなわち人体の有機的統一を自ら形成することができる。
創造的作用がある。つまり身体を絶えず再生し作り出している。もしバイタル・フォースが消滅すると、身体はたちまち分解し消滅に向かう。
柔軟性がある。言い換えれば、秩序正しく流れもすれば乱れたまま流れもするし、病気であっても健康であってもその状態に応じて流れている。
それが属する肉体を統一し、コントロールする。
適応能力がある。人には環境に適応する能力があることに疑いはないが、ではその人の何が適応するのであろうか?死体には適応能力はない。思うに、寒暖・乾湿などあらゆる状況下において機能するのは、バイタル・フォースがまず環境に適応するからである。
私たちは、室内の気温が下がったら上着を羽織ったり、身体の疲れを感じたら休んだり、あまり意識せずとも環境の変化に柔軟に適応しています。これもバイタル・フォースの働きなのです。by ファカルティオブクラシカルホメオパシージャパン
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