ユダヤ陰謀論(ディープステート悪玉論)は誰かを悪者にして米国支配に気が付かせないための「米国による謀略 」伊藤貫
「西部邁 & 伊藤貫」の思想さんより
米国の外交に影響を与える4つの勢力(これを知ればユダヤが米国を牛耳ることなど不可能なことが理解できます)
①「米国の国益を最大化」する観点から外交戦略を立案するエリート層(=外交エスタブリッシュメント)
・大統領、議員の考え方に影響与える。
・共和党、民主党、それぞれにこのエリート層が存在するが、両方が合同で外交戦略を立案することもある。
・国務省やペンタゴン、CIA等の官僚、学者 etc。
②大統領(権限の大きな裁量権)
③アメリカ国民(投票権)
④ウォール街の金融業者(莫大な政治資金を出せる)
よくユダヤ陰謀論を信じている方が主張する「ユダヤによる世界統一」ですが、これは米国が正式に採用した「米国一国による世界支配(一極支配)」という外交戦略と同じことです(公式文書、政治家の発言も多々あり)
これは、ディフェンスプランニングガイダンスと呼ばれ、1992年に秘密裡に作られた国家戦略です(民主党と共和党の外交エスタブリッシュメントが共同で立案した)。
つまり、ユダヤを悪者にすることは、米国による支配を人々に気が付かせないようにする効果があるのです。
「どのようなユダヤ人集団(もしくは国際金融資本)」が、「いつ」「どこで」「どのようにして」「世界の全てを決めているのか?」
それらを証明する機密文書や、要人の発言はあるのでしょうか?
ユダヤ陰謀論(国際金融資本陰謀論)が致命的なのは、このようなことを証明する証拠(機密文書や政治家などの証言)がないことです。
証拠がないものをあたかも真実であるように主張する。
これはデマとか、妄想と呼ばれます。
ちなみに、この一極支配戦略ですが、中東ではイラクから撤退し、東欧でも、クルミアをロシアに奪われる等で、失敗しつつあります(実質的に失敗に終わった)。
これは、世界統一すること自体が不可能であるということも意味しています。
仮に、世界統一を図ろうというユダヤ組織のようなものが存在したとしても、それは実現不可能だということです。
■ディープステート悪玉論の嘘
上記の①~④は、日本の独立(=核武装)に反対しています(※トランプも当選後は一切口にしていない)。
米国民も日本の核武装に反対する人のほうが賛成よりも多いです(世論調査の結果)。
日本の対米自立(核武装)は、米国が日本での権益を失うことを意味します。
つまり、
「日米同盟によって、日本から軍事力を奪うことによって(核武装させない)、米国に有利な政策を押し付けて、日本から搾取する」
という戦後一貫した米国の国家戦略を今後も維持するというのがアメリカ全体の意志なのです。
要するに、アメリカは反日国家なのです。
ディープステート悪者論(ディープステート以外のアメリカは日本の味方)は、真実ではありません。
アメリカには日本の味方はいないというのが現実です。
(日本の核武装を支持している親日のインドと較べると対照的です)
だから、「ディープステート=アメリカの反日勢力」と定義するなら、
「ディープステート=アメリカ全体=反日勢力」と言い換えることも可能です。
ディープステート悪玉論を信じてしまうと、アメリカには日本の味方もいるという錯覚を起こします。
それは、日米同盟の堅持へと誘導する効果があるので、これを支持する論客は、親米保守(アメリカの利益のために働く人たち)の亜流だと考えるべきでしょう。
ユダヤ陰謀論も、ディープステート悪玉論も、「アメリカは悪くない」と思わせるので、日米同盟を維持させる効果があるという点で、共通項があります。
これは偶然の一致なのでしょうか?
例えば、この動画の頃(2013年)はユダヤ陰謀論を主張されていた馬渕氏は、現在、ディープステート悪玉論を主張されています。
ちなみに、民主党のクリントン夫妻も、親米保守が親日と信じる共和党のブッシュ親子も、普段の会話では、日本人のことを「ジャップ」と呼んでいました。
■日本人の反米感情を抑えるために行われている報道規制
米国が一番恐れているのは反米感情が高まることです(独立運動が高まれば日本での権益を失うから)。
米国政府にとってユダヤ陰謀論は反米感情をそらす効果があるので望ましいのです(アメリカが悪い訳ではないと思わせる)。
だからマスコミでも反米が報道されないように監視しています。
米国が日本に行っている内政干渉(構造改革等による日本からの搾取)や米債のリスク(近い将来紙くずになる)を日本国民が知ることとなれば暴動が起こるかもしれません。
だから、ユダヤ陰謀論を主張する人の中には工作員(米中露)が混じっていることでしょう。
(親米は日本の軍事力を抑え込む効果があるので中露にとっても利益)。
報道での扱い
関岡英之、城内実などからは、以下の点から、年次改革要望書(米国による日本への内政干渉)に関する報道が広く国民に充分になされていないのが事実だという意見がある。
建築基準法の改正提言には、アメリカ政府の介在がひとことも書かれておらず、法改正の新聞報道でもいっさい触れられていない[2]。
年次改革要望書の全文が日本のマスメディアで公表されたことはない[2] 。
郵政民営化をはじめとする構造改革の真相を国民が知ることとなったら暴動が起きかねないので、マスコミ対策は用意周到になされていた。郵政民営化に反対する政治評論家森田実が、ある時点からテレビ局に出演できなくなった[12]。
一部夕刊紙以外の主要マスコミでは『年次改革要望書』が発表された事実そのものの報道もなされない。
国会議員が国会で問題にしても、なぜか全国紙やテレビ局の政治部記者からは一件の取材もない[13]。
■国際金融資本(ユダヤ)陰謀論では現実の世界を説明できない
例えば、馬渕氏は「北朝鮮や中国(2025年までに)はバックで支えている国際金融資本が見放したから、潰れる」と主張していますが、現実には、北は核開発を止めるどころか、SLBMの発射実験をし、中国は米国との貿易戦争で潰れる気配もありません。
国際金融資本のさじ加減でどうにでもなるというのなら、どうして、北朝鮮も、中国も潰してしまわないのでしょうか?
SLBMの開発のようなこと(国際金融資本側にもダメージになる)を止めさせずに放置しているのでしょうか?
北を潰してしまえば、北の地下資源を奪えるし、共産党を潰すことで中国からもグローバル企業が搾取できるのに、どうしてそうしないのでしょうか?
それができないのは国際社会は、ある一部の集団(ユダヤや国際金融資本)が決めているのではなく、国と国とか自国の国益を巡って、せめぎ合っているからです。
貧国の北朝鮮でも核武装すれば、誰も手出しできなくなるのです。
いくらお金を持っていても、国を思い通りに動かすことはできないということです。
「国際金融資本が政治的な影響力を持つ」ということと、
「国際金融資本が全てを決めている」ということは、
全く違うことです。
例えば、前者について言えば、
米国は政権が変わるごとに「製造業の復活」を謳いますが、一度衰退した製造業の復活は容易にはできず、深刻な米国の赤字財政を支えるために、結局、手っ取り早く、お金儲けができる金融業を重視する政策を採っています。
金融業者がお金儲けしてくれれば、税収が増えるので、米国の財政はデフォルトを回避できます。
つまり、米国は国家戦略として、国益のために、金融業者をバックアップしているのです。
そして、金融業者側は、それに乗っかってお金儲けしているという構造です。
決して、金融業者が米国政府を乗っ取って思い通りにしているということではありません。
跋扈していたグローバリストを駆逐したプーチンを見れば分かりますが、国家権力側が本気で国際金融資本をコントロールしようと決意すれば、できます。
過去の歴史を見ても、ニューディール政策(富裕層から富を強制的に移転させる)も、保護主義(反グローバリズム)、資本の国際間の移動規制等で、国家が国際金融資本をコントロールしてきました。
またマルクスが指摘したように、そもそも資本主義自体が、大企業と政治とが癒着しやすい構造を持ったシステムなのです。
現在の世界の状況は、陰謀ではなく、資本主義というシステムが必然的に引き起こす過去の歴史の繰り返しです。
■馬渕氏の予測を信じることは日本を滅亡に導く
「国際金融資本が全てを決めているのだから、国際政治を学ぶことなど馬鹿らしい」と発言している馬渕氏の「2025年までに中国は潰れる(国際金融資本が中国を潰すと決めたのだから潰れる)」という予測を信じたら、自主防衛(核武装)の必要性もなくなるので、その結果、2020年代に米軍が東アジアを撤退する時、丸腰で取り残される日本は核武装国の中国に属国化され滅亡することになります。
馬渕氏のような思想は、
撤退するまで日本を丸腰の状態に置いて、搾取を続けたい米国と、撤退後に丸腰の日本を植民地化したい中国双方の利益になります。
キッシンジャーと周恩来の間で、「在日米軍を日本に駐屯させ続けることで、日本を軍事的に無力化した状態に置き続ける」という密約が結ばれました。
不平等条約の地位協定も、日本の核武装も、何ら動きがないまま放置されているのをみれば、現在もこの密約が有効であることが分かります。
米中は喧嘩をしながらも、裏では協力しているということです。
また、他国の状況(中国崩壊、アメリカ頼み)に自国の命運を委ねるという思考そのものが、日本国にとって滅亡のリスクを高めるものであり、同時に、親米保守(アメリカに軍事を依存することを前提としてしまい、自国を自分たちで防衛しようという国家としての基本原則を欠く)の思想が色濃く表れていると言えます。
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