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NGO・市民社会と共に宗教者は「東アジアの平和」をいかに語り得るか
[レビュアー] キリスト新聞社
東アジアの平和の構築に向けて、宗教者には何ができるか。宗教団体やNGOなどによる平和の実現可能性はあるのだろうか。
こうした視点のもと、関西学院大学キリスト教と文化研究センター(RCC)が2013年に立ち上げた「東アジアの平和と多元的な宗教・NGO・市民社会の役割」研究プロジェクトの3年間の研究活動が1冊にまとめられた。李鍾元氏(早稲田大学大学院教授)、辛淑玉氏(人材育成コンサルタント)の講演記録のほか、9人の研究発表や論文を収録している。
RCCセンター長の山本俊正氏は、「東アジアの平和と憲法九条・キリスト教非暴力思想の可能性」の中で、
「彼らは剣を打ち直して鋤とし、槍を打ち直して鎌とする」というイザヤ書の言葉と、憲法9条の間に、「『戦わない』意志を明確に示したもの」という近似性を指摘する。
「日本の教会およびキリスト者が現在なすべきことの一つは、預言者イザヤのビジョンを再度受け継ぎ、平和憲法九条を継承することに努力することではないだろうか」という同氏の呼び掛けは、東アジアの平和構築のために、日本のキリスト者の役割がいかに重要かを示している。
13年の世界教会協議会(WCC)釜山総会に参加した小林和代氏(関西学院大学大学院神学研究科研究員)による報告は、「カトリック信徒」「エキュメニズムの研究者」「女性」という視点に、同氏の独自性が表れている。
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