#池田信夫 #山本太郎 #新型コロナ #平和憲法 精神で

「アゴラ言論プラットフォーム 池田信夫」様よりシェア、掲載。ありがとうございます。感謝です。


この投稿の「山本太郎」氏は「れいわの山本太郎」さんではありません。

《やまもと・たろう》 1964年生まれ。専門は医学、国際保健学。京都大助教授、外務省国際協力局を経て現職。著書『抗生物質と人間』『ハイチ いのちとの闘い』など。



政府は7日にも、新型インフル特措法にもとづく緊急事態宣言を出すようだ。これによって都道府県知事は法的な自粛要請ができるようになるが、罰則はないので不連続な変化が起こるわけではない。


問題は「緊急事態」という概念にある。これは戦争のような「非常事態」をモデルにしたものだが、ウイルスとの戦いは主権国家の戦争とは違い、ゲリラ戦に近い。それもほとんど無限にいる目に見えないゲリラである。


ベトナム戦争やイラク戦争でわかったように、正規軍がゲリラ(テロリスト)に勝つことはできない。必ず敵は生き残り、新たな戦線で攻撃してくるからだ。同じように人類がウイルスに勝つことはできない。特に新型コロナのようにこれほど世界に広がったウイルスを撲滅することは不可能である。


必要なのはウイルスと戦うことではなく、それと平和共存する憲法第9条の精神である。敵はすでに国内を侵略しているので、必要なのは戦争を放棄して敵と共存することだ。それによって一定の国民が風邪を引き、一部は肺炎で死ぬだろう。これ自体は避けられないことで、インフルエンザや子宮頸癌でも毎年、数千人が死んでいる。コロナだけに特別のコストをかける理由はない。


感染症の専門家、山本太郎氏もいうように、

集団内で一定以上の割合の人が免疫を獲得すれば流行は終わる。今、めざすべきことは、被害を最小限に抑えつつ、私たち人類が集団としての免疫を獲得することです。


ウィルスと共存することは愉快な体験ではないが、それ以外の道はない。集団免疫の閾値は基本再生産数の増加関数なので、コロナのように感染力の強いウイルスは、多くの人が免疫をもって「人間の壁」になるまで流行が終わらない。


多くの国で観察されているようにコロナの基本再生産数が平均2.5だとすると、日本人の60%(7500万人)が免疫をもつまで感染の拡大は止まらない。一時的にそれを抑え込んでも、世界全体では46億人が感染するまで終わらないが、それを恐れる必要はない。問題は感染者数ではなく、死者を減らすことである。


夏になればウイルスは減るかもしれないが、絶滅することはないので、また秋から冬にかけて流行するだろう。「ワクチンができれば解決する」という人がいるが、ワクチンこそ集団免疫を獲得する手段なのだ。


コロナ対策は経済問題


集団免疫戦略は「ノーガード戦法」ではない。「必要最小限度の防衛力」は保持しなければならない。重症患者の数を医療資源の範囲内に抑えるには、流行のピーク時には自粛で感染速度を落とす必要がある。この点で今まで日本の防疫対策は成功しており、失敗した欧米のロックダウンを見習う必要はない。


ただし日本の対策がなぜ成功しているかについては分析が必要である。それは日本人の国民性やクラスター対策だけではなく、昨年末から(弱毒性の)ウイルスが入って集団免疫ができていたためかもしれないし、BCG接種で重症化しないためかもしれない。


こういう幸運が原因だったとすると、今までの日本の防疫対策を過信するのは危険である。「第二波」の大流行が来たら、人海戦術のクラスターつぶしでは対応できない。


日本ではコロナ感染の人的被害は大したことないが、経済的被害は大きい。このトレードオフの中で、一定の感染を許容して医療資源の需給をコントロールするオペレーションズ・リサーチの手法も必要になろう。コロナ対策は戦争ではなく、経済問題なのである。


「朝日新聞デジタル 山本太郎」様よりシェア、掲載。ありがとうございます。感謝です。


新型コロナは「撲滅すべき悪」なのか 人類の歴史に学べ


《やまもと・たろう》 1964年生まれ。専門は医学、国際保健学。京都大助教授、外務省国際協力局を経て現職。著書『抗生物質と人間』『ハイチ いのちとの闘い』など。


 私たちの社会と経済に多大な負担を与えつつ続く新型コロナウイルス対策。『感染症と文明』などの著書がある山本太郎・長崎大熱帯医学研究所教授(56)は「感染防止策はウイルスを弱毒化させる効果が期待できる」としつつ、「最終的にはコロナウイルスとの共生・共存を目指すべきだ」と主張する。感染症は「撲滅するべき悪」ではないのか。人類と感染症の歴史をひもときつつ、聞いた。


文明は感染症のゆりかご


 ――私たちは「感染症は自然からの脅威であり、人類は文明や科学の力で感染症と闘ってきた」というイメージを持っています。


 「それは一面の真実ですが、巨視的には『文明は感染症のゆりかご』として機能してきたことも確かです。現在知られる感染症の大半は、農耕以前の狩猟採集時代には存在していなかった。人間は100人程度の小集団で移動を繰り返し、お互いの集団は離れていた。集団内で新型コロナウイルスのような感染症が発生しても、外には広がれず途絶えてしまう」


 「感染症が人間の社会で定着するには、農耕が本格的に始まって人口が増え、数十万人規模の都市が成立することが必要でした。貯蔵された穀物を食べるネズミはペストなどを持ち込んだ。家畜を飼うことで動物由来の感染症が増えた。はしかはイヌ、天然痘はウシ、インフルエンザはアヒルが持っていたウイルスが、人間社会に適応したものです」


病原体も共生をめざす


 ――文明の成立と共に人類は流行病の苦しみを背負ったわけですか。


 「私たちは感染症を『撲滅するべき悪』という見方をしがちです。だけど、多くの感染症を抱えている文明と、そうではない文明を比べると前者の方がずっと強靱(きょうじん)だった。16世紀、ピサロ率いる200人足らずのスペイン人によって南米のインカ文明は滅ぼされた。新大陸の人々は、スペイン人が持ち込んだユーラシア大陸の感染症への免疫を、まったく持っていなかったからです」


 「一方でアフリカの植民地化が新大陸ほど一気に進まなかったのは、さまざまな風土病が障壁になったからです。近代西洋医学は植民地の感染症対策として発達した面が強い」


 ――多くの感染症を抱えている方が文明は安全、ということですか。

 「人類は天然痘を撲滅しましたが、それにより、人類が集団として持っていた天然痘への免疫も失われた。それが将来、天然痘やそれに似た未知の病原体に接した時に影響を与える可能性があります。感染症に対抗するため大量の抗生物質を使用した結果、病原菌をいかなる抗生物質も効かない耐性菌へと『進化』させてしまった実例もある。病原体の撲滅を目指すのは感染症に対する『行き過ぎた適応』ではないか」


 「多くの感染症は人類の間に広がるにつれて、潜伏期間が長期化し、弱毒化する傾向があります。病原体のウイルスや細菌にとって人間は大切な宿主。宿主の死は自らの死を意味する。病原体の方でも人間との共生を目指す方向に進化していくのです。感染症については撲滅よりも『共生』『共存』を目指す方が望ましいと信じます」


 「一方で、医師としての私は、目の前の患者の命を救うことが最優先となります。抗生物質や抗ウイルス剤など、あらゆる治療手段を用いようとするでしょう。しかし、その治療自体が、薬の効かない強力な病原体を生み出す可能性もある。このジレンマの解決は容易ではありません」


流行が終わるためには


 ――現在、大きな問題となっている新型コロナウイルスについても「共存」を目指すべきですか。


 「歴史的には人口急増と交通網発展は、感染症拡大をもたらす最大の要因です。グローバル化が進む現代は感染力の強い病原体にとって格好の土壌を提供する。流行している地域によって状況があまりにも違うので、新型コロナウイルスの真の致死率は明らかではありません。しかし、世界中に広がっていく中でさらに弱毒化が進み、長期的には風邪のようなありふれた病気の一つとなっていく可能性があります」


 「一方で、逆に強毒化する可能性も否定できない。原因ははっきりしませんが、1918~20年に流行したスペインかぜはそうでした」


 ――最終的にウイルスが広がるのを防げないのであれば、感染拡大を防ぐ努力は無意味ではないですか。


 「それは違います。第一に、感染が広がりつつある現時点では、徹底した感染防止策をとることで、病気の広がる速度を遅くできます。患者の急増を防ぐことで医療にかかる負荷を軽減し、より多くの患者を救えます」


 「さらに言えば、病原体の弱毒化効果も期待できる。新たな宿主を見つけづらい状況では『宿主を大切にする』弱毒の病原体が有利になるからです。感染防止策は『ウイルスとの共生』に至るまでのコストを大きく引き下げます」


 「集団内で一定以上の割合の人が免疫を獲得すれば流行は終わる。今、めざすべきことは、被害を最小限に抑えつつ、私たち人類が集団としての免疫を獲得することです」


 「現在、気になるのは発展途上国でのウイルスの広がりです。エイズの場合も当初、先進国での蔓延(まんえん)にばかり目が向いていたが、アフリカではすでにすさまじい勢いで感染が広がっていたという事実があります。今回も同様のことが起きかねません」


社会にもらたす変化とは


 ――14世紀欧州のペスト流行は、封建社会から近代市民社会への移行をもたらしたと聞いています。コロナウイルスも社会構造に影響を与えるのでしょうか。


 「当時の欧州ではペストで働き手が急減したことで、賃金が上昇し、農奴制の崩壊が加速。身分を超えた人材の登用も行われるようになりました。ペストに無力だった教会の権威は失われ、代わって国家の立場が強くなった。こうした変化はペストの流行がなくてもいずれ実現したでしょうが、その時期が大幅に早まった。新型コロナウイルスも同様に、歴史の流れを加速するかもしれません」


 「今回の感染拡大が100年前に起きていれば、『今年は重症の風邪が多いな』という程度で、新型ウイルスの存在さえ気づかずに終わっていたかもしれない。だけど、現代では医学・疫学の発達によって感染の拡大がつぶさに追えるようになった以上、政治も社会も対応せざるを得ません」


 「従来の感染症は多くの犠牲者を出すことで、望むと望まざるとに関わらず社会に変化を促したが、新型コロナウイルスは被害それ自体よりも『感染が広がっている』という情報自体が政治経済や日常生活に大きな影響を与えている。感染症と文明の関係で言えば、従来とは異なる、現代的変化と言えるかもしれません」(聞き手・太田啓之)

YusukeKusuyama 48 🚹 👨 = 楠山祐輔 → HP - OFFICIAL !!!!!

Meta National Doctor ➣ YusukeKusuyama 滞在型グローバルワーカー 楠山家の楠山祐輔は楠木正成の血脈を引く一族であり聖武天皇と橘諸兄との繋がりがあることが楠山家文書などによって証明されています。楠木正成は建武の元勲の一人であり明治以降は「大楠公」と称され正一位を追贈されました。楠山家文書は南北朝時代から江戸中期にかけての郷村の発達を示す貴重な資料となっています。

0コメント

  • 1000 / 1000