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第4次産業革命 2016-05-31 08:04:42
徳間書店から「第4次産業革命: 日本が世界をリードする これから始まる仕事・社会・経済の大激変 」を刊行いたしました。
我が国は、本当に不思議な国です。
安倍政権が14年度から緊縮財政路線に舵を切り、国民の貧困化が続き、社会に閉塞感が満ち溢れています。このタイミングで、我が国にデフレから脱却し、経済成長路線に立ち戻る絶好の機会が訪れようとしているのです。
しかも、理由は「少子高齢化」なのだから、驚かれる方も多いのではないでしょうか。
厳密には、少子高齢化を主因とする、生産年齢人口対総人口比率の低下です。
総人口に占める生産年齢人口の割合が下がれば、当然の話として、人手過剰は「人手不足」へと転換していかざるを得ません。
そして、人手不足を解消するための資本、技術への投資こそが、経済を成長へと導くのです。
経済成長とは、人手不足つまりはインフレギャップ期の、生産性向上を目的とした投資拡大がもたらす現象なのです。
もちろん、我が国に基盤となる技術が存在しなければ、
「技術投資による生産性向上で経済成長を!」
などとやったところで、絵に描いた餅に終わります。とはいえ、現実の日本国は、未だに世界屈指の技術大国なのです。
長引くデフレで、相当に毀損してしまいましたが、「まだ、ぎりぎり」大丈夫でしょう。
今後の日本国では、特に「ヒトが動く」サービス産業において、人手不足が加速していくことになります。
すなわち、人手が足りなくなるサービス産業において、生産性を向上させる「技術」へ投資することで、「儲かる」環境が訪れようとしているのです。
日本国における、サービス分野の生産性向上を目的とした技術革新は、将来の歴史の教科書において「第4次産業革命」と呼ばれることになるでしょう。
第4次産業革命、インダストリー4.0は、ドイツにおいて「製造業」の様相を抜本的に変え、製造コストを大幅に削減することを目的に始まりました。
とはいえ、今後の我が国で「サービス産業」の生産性を高める技術的ブレイクスルーや製品の市場投入が続くことで、最終的には、
「第4次産業革命は、ドイツで始まったが、日本で進化し、完成した」
と、後世の歴史家たちが記すことになると、わたくしは確信しているのです。
理由は、我が国が生産年齢人口対総人口比率の低下により、サービス産業が「超人手不足」になることが確実であるためです。
需要に対し、人手が足りず、生産性向上が必須の環境こそが、技術発展を最も後押しする。これは、歴史が教えてくれる事実です。
本書では、第4次産業革命を「なぜ、日本が牽引するか」について各種のデータで明らかにしつつ、同時に現実に進んでいる技術開発の姿を明らかにしました。
第一次産業革命は、蒸気機関をGPT(汎用目的技術)として、発展しました。
第二次産業革命のGPTは、内燃機関・電気。第三次産業革命では、コンピュータ・インターネットがGPTでした。
わたくしは、ある意味で第三次産業革命の申し子です。
第三次産業革命は、人間の「情報へのアクセス」を高速化することで、生産性を劇的に向上させました。
それでは、第4次産業革命とは、何なのでしょうか。
答えは本書をお読み頂きたいのですが、概要だけ書いておくと、「人間の動作」をサポートする技術こそが、第4次産業革命を牽引することになります。
日本のマスコミでは、相変わらず「日本は人口減少で衰退する」といった幼稚な単純論が飛び交い、国民を憂鬱にさせています。
とはいえ、現実には人口構造の変化こそが、日本を再び技術大国へと押し上げ、繁栄へと導く可能性が高いのです。
技術に投資をすると、儲かる時代が再び訪れたのでございます。
もちろん、技術投資は民間企業が中心になります。とはいえ、スティグリッツ教授の提言の通り、政府も「技術とインフラ」に投資する必要があります。
政府が何に財政を支出するべきなのか。
「将来の生産性向上のための技術・インフラへの投資」
以外にはありません。
というわけで、わたくしは「インフラ投資」をテーマにした「全国民が豊かになる 最強の地方創生 」と、「技術投資」を中心に取り上げた「第4次産業革命: 日本が世界をリードする これから始まる仕事・社会・経済の大激変 」の二冊を刊行することにしたのです。
三橋貴明「国会答弁、AIが下書き!?」 経産省が実験へ・第四次産業革命 [モーニングCROSS]
2017年1月5日(木) モーニングCROSS - ひとこと言いたい!オピニオンCROSS
三橋貴明(経済評論家・経世論研究所所長)
【出演】堀潤 / 宮瀬茉祐子 【コメンテーター】三橋貴明 / はあちゅう / 湯浅卓
【紹介】第4次産業革命 日本が世界をリードする これから始まる仕事・社会・経済の大激変 (三橋貴明)
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