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神戸市が「TikTok」と連携--地域活性化や新型コロナ対策などで活用
野々下裕子2020年05月21日 11時28分
神戸市とショートムービー投稿サービスの「TikTok(ティックトック)」は5月20日、「神戸の魅力発信・地域経済等活性化・新型コロナウイルス感染症対策等に係る事業連携協定」を締結。
第1弾として「#こうべ癒し学び隊」のハッシュタグを付けた動画を募集するキャンペーンを実施すると発表した。約1カ月間実施し、審査により上位入賞者にはTikTokオリジナルグッズがプレゼントされる。
同日に神戸市で開かれた記者発表会には、TikTok日本法人を運営するByteDance(バイトダンス)から公共政策本部長の山口琢也氏がオンラインで登壇した。
現在、TikTokは150の国と地域に75言語で展開されており、世界で累計20億ダウンロードされている。
サービスは中国に本社があるByteDanceが立ち上げたが、日本では日本法人が独自の仕組みとシステムで運営している。
既存のソーシャルメディアはフォロワーを増やして情報を届けるため、ファンを増やす工夫が必要だが、TikTokでは“開拓”と呼ぶアルゴリズムを用いたレコメンデーションエンジンを組み込んでいてバズりやすいことが特徴だという。
「極端な話、フォロワー数が0人でも一定数のユーザーにリーチできるので、エンゲージメントで苦労する行政機関での活用に向いている」と山口氏は説明する。
最近では新型コロナウイルスに関連する動画がバズり、「#癒しの時間」は6.6億回、「#自宅トレーニング」は13億回再生された。
まもなくライブ配信機能「TikTok LIVE」を実装予定で、感染対策の取り組みとあわせたチャリティライブを5月に2回実施している。
東京都知事の小池百合子氏が、毎夕動画を配信するのにも活用しており、若者に向けた発信での活用が進んでいる。
行政との連携協定は、2019年8月に横浜市と行ったのが全国初だが、神戸市が毎年ゴールデンウィークに開催する地域イベント「078(ゼロナナハチ)」のプログラム内でクリエイターと連携していた。
さらに、2019年7月には神戸市職員向けにTikTokを活用するワークショップも開催しており、そうしたが流れが今回の連携協定につながったともいえる。
神戸市企画調整局つなぐラボ特命係長の長井伸晃氏は、今回の事業連携の目的について、(1)地域経済・産業、文化、スポーツ、ライフスタイルなどの魅力発信、(2)市職員採用募集に向けた広報、(3)主に青少年を対象としたTikTok安全利活用の推進、(4)新型コロナウイルス感染症対策に係る情報発信・市民参加型キャンペーンの4つを挙げた。
すでに、感染症対策として4月24日から公式アカウントを立ち上げ、須磨水族園の様子を配信したり、うちで過ごそうアートプロジェクトで募集した動画を公開したりしているという。
5月20日から開始する動画投稿キャンペーンでは、「癒し」または「学び」をテーマに「#こうべ癒し学び隊」のハッシュタグを付けた動画を募集。
神戸市とTikTokが共同で審査し、上位100名にTikTokのロゴが入った動画撮影用スタビライザー(DJI OSMO MOBILE 3)をはじめとしたオリジナルグッズをプレゼントする。
TikTokの協力により神戸市側にキャンペーン予算は発生していないという。
キャンペーン実施は若年層を中心とした市民クリエイターの活動機会や発信の場の創出が目的で、神戸にゆかりのあるTikTokクリエイターの「しのっぴ」などによる参考動画が現在公開されている。
さらに、クリエイターによる職員や市民向けの活用セミナーも実施する予定で、協定を結ぶ1年の間に第2〜3弾の活動も計画しているという。
「神戸市ならではのコンテンツ発信や、神戸市職員採用ナビゲーターによる職員募集につながる動画制作などが予定されている。
簡単に動画作品が投稿できることから、街の魅力発信につながる有効なサービスとして期待している」と長井氏は説明する。
今後のTikTokとの具体的な連携内容についてはこれから検討を進めるとしている。
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