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進化論の誤用、憲法改正に引用 自民のツイートに批判
2020年6月20日 22時38分
自民党広報のツイッターアカウントが、ダーウィンの進化論を誤用した言い回しを引用して憲法改正の必要性を訴え、批判のツイートやコメントが相次いでいる。
専門家は、進化と関係のない憲法の改正にダーウィンを結びつけるような発信に懸念を示している。
問題となっているのは、憲法改正についての19日の投稿。
「もやウィン」という架空のキャラクターが4コママンガで、
「ダーウィンの進化論ではこういわれておる」
などとして
「最も強い者が生き残るのではなく 最も賢い者が生き延びるのでもない。」
「唯一生き残ることが出来るのは 変化できる者である。」
などと説明。
憲法改正の必要性を訴える内容だ。
ダーウィンの進化論で重要な「自然選択」は、生物の集団の中に性質の違う多様な個体がいることで、環境の変化などが起きても、生き残るものがいることを指す。
あくまで集団レベルでの現象であり、個体のレベルや憲法改正に適用できるものではない。
英ケンブリッジ大などによるダーウィンの書簡研究チーム「ダーウィン・コレスポンデンス・プロジェクト」によると、
もやウィンのこの説明はダーウィンの誤用例の有名な表現として知られ、米ルイジアナ州立大の教授が1963年、ダーウィンの著作「種の起源」から誤って引用したのが始まりという。
「進化論は優生学などに悪用された歴史があり、社会的な問題を進化で論じることには慎重な上にも慎重であるべきだ」。
東京大の佐倉統教授(科学技術社会論)はそう批判する。
「今回は進化と何の関係もない憲法改正に安直に当てはめており、大きな問題だ」
投稿後、ツイッターでは「ダーウィンの進化論を間違って広報するのはやめてください」などと批判や疑問が相次いだ。
進化生物学に詳しい三中信宏・東京農業大客員教授は朝日新聞の取材に
「このマンガのように事物をある方向に意図的に変更することは偶然の変異に基づく進化とは何の関係もない。マンガは読者の判断を誤らせるための悪しきフェイクだと言わざるをえない」
とコメントした。
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