「Tarzan」様よりシェア、掲載。
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宮本武蔵はなぜ猫背で立つのか。
“運動パフォーマンスと姿勢”の話
胸を張り、顎は引き、背すじの伸びた立ち姿を我々は無意識によい姿勢と受け止めるし、恐らくほぼすべての人が学生時代に“気をつけ”の号令のもと、この姿勢を求められたはず。
確かにこの立ち方だとおのずと胸郭は開く(胸郭を開くことは深い呼吸の条件)。
だが、見栄えはしても不自然で疲れやすく、長時間は続けづらいから、つい姿勢の崩れる瞬間に呼吸にも乱れを生じかねない。
古来、武術の達人は独特の立ち方をしてきた。
「日本は腹を重んじる文化だから、武術でも腹が大事。腹の力をしっかり抜き、膝をほんのわずか緩め、重心が地面にすとんと落ちるイメージで立ちます」(東京農工大学・田中幸大教授)
10割ではなく、あくまでも7〜8割の呼吸を止めることなく静かに換気。
いっぱいに吸ってしまうと、その瞬間は動きにくくなり、一瞬の隙が生じる。
武術家はその瞬間を見逃さない。
逆に自分の呼吸のリズムも相手に読まれないようにする。
だから呼吸は静かになる。
「古くは五輪で活躍した陸上選手のカール・ルイスが、100mの決勝で50m地点を過ぎると笑顔を見せて走ったものです。そういう指導だったそうですが、笑うと上半身の力が抜けて、腕が動きやすくなります。それが素晴らしいパフォーマンスにつながったのですが、呼吸に気をつけ、上半身の力が抜けていないと、速くは動けません」
諸説あるが、
へその下10cmほどの位置を東洋医学では丹田と呼び、気力の集まる重要ポイントと見なしてきた。
西洋医学では小腸の位置。
栄養物を取り込んで、代謝、燃焼に回す重要臓器だ。
腹をしっかり意識して、力まずリラックスして深い呼吸を心がけよう。
「一生懸命になるとつい力みがちですが、緩い呼吸に合わせれば緩みやすくなります」。
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