「考えること 生きること」様より
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考えること 生きること
考えるとは何か、生きるとは何か。考えたことを直接、間接に記します。
重力と恩寵
シモーヌ・ヴェーユ(渡辺義愛訳).重力と恩寵.春秋社(2009)
重力とは、物質、精神に作用する自然の力である(naturel)。それに対し、恩寵は超自然の力である(surnaturel)。
思うに、恩寵を受けることが、生きることである。
〈恩寵、それは下降の法則である。
低くなること、それは精神の重力に対して上昇することである。精神の重力はわれわれを高いほうへ落とす〉 (重力と恩寵)
それは真空を受け入れること。真空とは、自分が無であることの自覚である。私は私ではないと、つねに感じられていること。
真空を恩寵が満たす。私はすべてである。
しかし、人は容易に真空に耐え得ない。
〈真理を愛するとは、真空に耐えること、したがって死を受け容れることを意味する。真理は死の側にある〉 (真空を受け容れること)
想像力が真空を埋めようとする。それは自然の力。
ただし、真空は求められるものではない。知性と、注意により、それは生まれる。
知性とは、感じ考えること。注意とは、そのために開かれてあること。私に感じとられている事象を予断なく見つめること。
脱創造 décréation 、超自然の力。想像へ、創造へと向かう人の性質は、内に逆の力を秘めている。その内なる力に促されること。
ヴェイユは、神は私たちを創造することで、無へと退いた、と述べている。それが脱創造。その神の行為(愛)に倣うこと。
私は信仰をもっていないので神を感じることはないが、ヴェイユを読む際にそのことは妨げにならない。「神」と、言ってもいいし言わなくてもいい。
〈善は不可能である〉 (不可能なこと)
不可能である。可能なものは善ではない。
〈善をなすこと。どんなことを行っていても、私はそれが善ではないことをこの上もなくはっきりと知っている。善くないものが善をなすことはありえないからである〉 (不可能なこと)
シモーヌ・ヴェイユ自身の生き方が記されている。それは、不可能な善を志向する人に共通する生き方である。
続いて「牧師の書斎」様より
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1. 空の空、すべては空
【聖書箇所】 伝道者の書 1章2節
【読み】
ハヴェール ハヴァリーム アーマル コーヘレット ハヴェール ハヴァーリーム ハッコール ハーヴェル
【文法】
「言った」という動詞(「アーマル」אָמַר)を除けば、すべて名詞だけで成り立っているフレーズです。
【翻訳】
【新改訳改訂3】 空の空。伝道者は言う。空の空。すべては空。
【口語訳】 伝道者は言う、空の空、空の空、いっさいは空である。
【新共同訳】 コヘレトは言う。なんという空しさ/なんという空しさ、
すべては空しい。
【岩波訳】空の空、とコーへレトは言う。空の空、いっさいは空、と。
【関根訳】空の空だ、とコーヘレトは言う、空の空、すべては空だ。
【リビングバイブル訳】私はこの世に価値のあるものなどないと思います。 何もかも空しいのです。
【NKJV】" Vanity of vanities," says the Preacher; "Vanity of vanities, all is vanity.
【NIV】"Meaningless! Meaningless! " says the Teacher. "Utterly meaningless! Everything is meaningless."
【瞑想】
「伝道者」と訳された「コーヘレット」קֹהֶלֶת (「コヘレト」とも表記される)は、「集会を招集する者」「説教者」「伝道者」などの意味があります。「空の空、すべては空」は「伝道者の書」の基調です。しかしこの悲観的・厭世的基調は人間的視点によるものであり、さまざまな人生経験を経た著者が、「結局のところ、もうすべてが聞かされていることだ、神を恐れよ。神の命令を守れ。これが人間にとってすべてである」という結論に導くことを目的として書いたと言えます。
「空」、あるいは「むなしい」と訳された言葉「ヘヴェル」(הֶבֶל)は、旧約では73回の使用頻度ですが、「伝道者の書」の中にはなんとその半数以上、38回も使われています。「ヘヴェル」は本来、「息」「風」「霧」という意味です。「日の下」、すなわち、目に見える世界におけるすべての労苦は、まさに風を追うようなもので、その最上の虚無感を表すことばが「空の空」なのです。これは「ヘヴェル」の単数形とその複数形「ヘヴェリーム」を組み合わせた表現です。英語では「ヘヴェル」を、主に、無価値(worthless)、無意味(meaningless、nonsense)と訳しています。
それは単なる情感的なものではなく、実際に労苦や思索を重ねて快楽、富、名誉、知恵を手に入れようとした結果、到達した結論です。しかしそのすべては「風を追うように、むなしい」というものでした。その虚無からの救いはただ「神を恐れること」。換言すれば、「神を信じること」。神の愛、神の恵み、神の知恵、神の導き、神のさばき(ミシュパート)としての統治を心から信じることだとこの伝道者は結論づけているのです。
興味深いことに、「ヘヴェル」はカインの弟アベルと同じヘブル語表記です。彼は兄のカインによって殺され、その人生は短くはかなかったのですが、アベルは神を恐れて歩みました。新約聖書ヘブル人への手紙には「信仰によって、アベルはカインよりもすぐれたいけにえを神にささげ、そのいけにえによって彼が義人であることの証明を得ました。神が、彼のささげ物を良いささげ物だとあかししてくださったからです。彼は死にましたが、その信仰によって、今もなお語っています。」(11:4)とあります。アベルの地上での生涯は悲惨に終わりましたが、その人生はとても価値ある生涯だったのです。決して空しく終わることのない生涯、それは「神を恐れる」ことによってのみもたらされることを、栄華を窮めた王、この世の最高の知恵者ソロモンのことばを待つまでもなく、アベルがその生涯を通してすでに語っていたのです。
ちなみに、「へヴェル」の類義語に「シャーヴェ」שָׁוְאがあります。用例としては、詩篇127篇1節「主が家を建てるのでなければ、建てる者の働きはむなしい(שָׁוְא)。」があります。「シャーヴェ」の旧約での使用頻度は53回です。「むなしさ」「偽り」「誤用」「無駄」「無益」といった意味合いで、「伝道者の書」以外で使われています。
続いて「YOUTUBE」です。
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絶望から免れる道【重力と恩寵】(創作のための推薦図書)
349 回視聴•2020/06/13
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伝道の書 第1章 いっさいは空
64 回視聴•2020/09/04
恵みの御言葉 聖書朗読会
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伝道の書 1章 口語訳聖書 「いっさいは空」
重力と恩寵
シモーヌ・ヴェーユ(渡辺義愛訳).重力と恩寵.春秋社(2009)
考えること 生きること
考えるとは何か、生きるとは何か。考えたことを直接、間接に記します。
1. 空の空、すべては空 - 牧師の書斎
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