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新型コロナウイルスって怖いの!?(3) ―本当の死因「サイトカイン・ストーム」とは?
今回の新型コロナウイルス報道の前にも、2002年にはSARSという新型のコロナウイルスが世界中を恐怖に陥れました。SARSも中国が感染源で、香港を中心に9千人近くが感染、世界の30カ国あまりで数百名が死亡したとされますが、現在は収まっています。SARSの後には、MERSが登場。これも新型コロナウイルスでした。MERSは2012年にイギリスで発見され、2015年には中国、韓国だけでなく、中東諸国にまで感染が拡大したため中東呼吸器症候群と呼ばれ、恐れられました。しかし、SARSもMERSも、死亡原因を調べてみると「サイトカイン・ストーム」というワードが出てきます。「サイトカイン」は、免疫に関係する体内物質。カラダ中の細胞から分泌される数々の生理活性物質の総称。「ストーム」は、嵐の意味。サイトカイン・ストームとは、自分の免疫物質が体内で過剰に産生され、嵐のように吹き荒れる「自己免疫暴走」現象。正式には「サイトカイン放出症候群」「サイトカイン過剰産生」と呼ばれます。風邪やインフルエンザで人が死んだ話を聞くと、多くの人は、ウイルスが直接、人を殺したイメージを持ちます。しかし、実際はそうではありません。死の直接的な原因は、患者自身の免疫の異常反応によるものです。本来、命を守るはずの免疫システムが過剰に働いて、患者自身の臓器を攻撃して死に至らしめていたのです。ウイルス感染で人が死ぬとき、特に昨日まで元気だった若い人が感染症で亡くなる場合はほとんどが、このケースです。ウイルスは、人の免疫を過剰反応させる引き金を引いているだけなのです。本当に恐れるべきは、未知の新型ウイルスではなく自分の免疫が暴走してしまうこと、サイトカイン・ストームだと言えます。
新型コロナウイルスって怖いの!?(4) ―サイトカインストームを引き起こすもの
今回の新型コロナウイルスもそうですが、過去に恐れられた新型のコロナウイルスの
SARSもMERSも新型インフルもすべて、死亡者の多くにサイトカイン・ストームが起きた形跡が発見されています。ウイルスによって刺激された患者の免疫系が過剰に反応してしまい、自分自身の脳や肺などの臓器を攻撃し、死因となる脳症や肺水腫を起こしていたのです。現代の多くの人の免疫系は、正常に機能していません。もともと遺伝的に免疫系に異常を抱えている人もいれば、病気を抱えていたり、栄養不良の状態にあったり、加齢による高齢で、免疫が弱っています。人体は免疫が弱っていると、免疫システムのうち、まだ元気に機能できる他の部分が過剰に反応して免疫力の不足を補うようになっています。サイトカイン・ストームは、生まれつきの体質、ウイルスなどの外敵や刺激に対し、免疫が過剰反応してしまう遺伝的要因のほか、解熱剤(一部の鎮痛剤)や過去に接種したワクチンが原因でも起きます。中でもとくに気をつけたいのは、解熱剤。解熱剤で一部の免疫機構を極端に抑えてしまうと、別の免疫機構を暴走させることになります。サイトカイン・ストームのような免疫暴走を起こさない解熱剤は、アセトアミノフェン系のものです。そのため、小児用解熱剤として推奨されるのはアセトアミノフェノン系だけです。その他の種類、ロキソニン、アスピリンなどの解熱剤は、サイトカイン・ストームを起こすリスクがあります。これらの解熱剤は、小児やまだ免疫が強く働く若い人には危険です。大阪市大の研究でも、解熱や痛み止めに処方されるロキソニンのような「非ステロイド性抗炎症剤」が、
サイトカインによる薬剤性小腸傷害を起こすことを内視顕微鏡で確認されています。危険なのはウイルスでなく、クスリの乱用。新型ウイルスは、常にどこかで発生するもの。本当のリスクはもっと身近にあるのです。避けるべきは、クスリやワクチンの乱用で、自分の免疫システムを乱してしまうことなのです。
新型コロナウイルスって怖いの!?(5) ―サイトカインストーム死因説に否定的な医学界
今回の新型コロナウイルスの危険性について本当の危険が、患者側の免疫応答の異常にあることを訴える専門家は、テレビに出てきません。医学の専門家で、この重大な観点を述べ人は非常に少ないのです。それは、なぜでしょう?理由は、いろいろありますが、一つは、無知です。これは医学教育に問題があります。医学教育では、免疫の仕組みについて包括的に学びません。学ぶのは、おもに病理学です。この病理学は、「全ての病気=悪⇒治すべきもの」という固定観念に縛られた学問です。単に医学教育を受けただけの人の頭の中は、「全てのウイルスは悪」という単純で一面的な見方しかできない思考回路が形成されています。一方、ウイルスに関しても多方面の知識や経験があれば、それが単に悪者ではなく、意味があって存在しており、人間にとっても、有用な働きを持っていることがわかります。赤ちゃんはよく風邪など感染症にかかります。例えば、感染症の中でも、麻疹には排毒作用があります。赤ちゃんは、麻疹にかかることで妊娠中や母乳から入った動物性の不要物や毒素を排出し、カラダをきれいにし、丈夫なカラダを得ていました。かかる子どもには必要があって、感染症にかかっていたのです。子育てにおいても、子どもの成長を観察していると、風邪にかかって治った後で、急に話す言葉数が増え、語彙力が上がるなど、その変化に驚くことがあります。感染症を機に、子どもが成長することがあるのです。このように、感染症の働きを経験的に知っている文化では、感染症にかかる事を必ずしも悪とみなしません。水疱瘡にかかった子がいると、その子の所に行って水疱瘡をもらうといったことも、以前の子てではよく見られた光景です。水疱瘡と帯状疱疹のウイルスは同じです。高齢者においては、水疱瘡にかかった子どもと頻繁に接触することで帯状疱疹の突発的な発現が予防されているという研究もあります。水疱瘡にかかる子どもが少なくなり、高齢者と子どもの関わりも少なくなった現代、帯状疱疹で苦しむ高齢者が増えています。このような事態は、ウイルスを害悪視して排除するだけでは解決できない問題です。現代医学は、全ての病気が悪でこれは全て、クスリをはじめとする治療で完全に制圧しなければならないという発想に憑りつかれています。その結果は、皮肉なことに病人の数も病気の種類も増え続ける一方です。にもかかわらず、いまだにウイルスや病気を害悪視するだけで、クスリの害について、何とか隠し通そうとするのです。例えば、スペイン風邪の死因などです。スペイン風邪は、今から100年前、世界で最も多くの死者を出したインフルエンザ。その感染規模は、世界中で感染者5億人、死者は、推定5千万~1億人と言われます。通常の風邪やインフルの流行では、子どもやお年寄りなど、免疫の弱った弱者の死亡が多いのですが、スペイン風邪では、若い人の死者が多いという特殊な事例でした。この死因に関しては、薬剤によるサイトカイン・ストームが強く疑われます。というのも、免疫の暴走は、免疫の強い若い人によく見られる現象だからです。当時、解熱剤としてよく処方されていたアスピリンには、サイトカインの過剰産生を起こすことが現在、判明しています。しかし、医学界の多数は、アスピリン薬害説を否定します。ロシアや日本で行われた複製ウイルス(人工ウイルス)による動物実験の結果を引き合いに出し、あくまで原因はウイルスにあるとしているのです。スペイン風邪の死者の多くは、アスピリンを服用していたことがわかっています。そして、現在、アスピリンの薬剤添付文書には消化性潰瘍、浮腫など、サイトカインの過剰産生で起きる数々の副作用が明記されています。アスピリンがサイトカインを過剰産生し、免疫系のバランスを乱し、多臓器不全を起こすことを確認しながらも医学界は、サイトカイン・ストーム死因説をやっきになって否定するのです。サイトカイン・ストーム説を認めれば、スペイン風邪は史上最大の薬害事件になるでしょう。そして、今後の感染症対策には大きな転換が迫られます。またアスピリンは現在でも処方されており、製薬企業との結びつきを考えたら、医学界は、サイトカイン・ストーム説を否定しなければならないわけです。しかしながら、一部の真摯な研究者は、風邪やインフルによる若年死だけでなく、自己免疫疾患をはじめとする数々の難病など、その他多くの病気の実際の原因が、サイトカインの過剰産生にあることを研究や論文で報告しています。
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